20代の私が望んだものを、今の私は望んでいない
「あれほど欲しかった管理職のポジション。なのに、手に入れた今、なぜか虚しいんです」
48歳の加奈子さん(仮名)は、キャリアコンサルティングでそう打ち明けました。
彼女は20代の頃から、「いつか管理職になりたい」と明確な目標を持っていました。男性が多い職場で、女性管理職は数えるほど。だからこそ、「私が道を切り開きたい」という強い思いがありました。
そして2年前、ついに念願の課長職に昇進しました。周囲からは祝福され、家族も喜んでくれました。でも、加奈子さんの心には、予期せぬ感情が芽生えていました。
「これが、私が望んでいたものだったんだろうか」
毎晩遅くまでの会議、休日も持ち帰る仕事、部下との板挟みになる日々。確かに、責任あるポジションです。やりがいもあります。でも、心から楽しいとは思えない。
「私、変わってしまったんでしょうか。20代の頃はあんなに欲しかったのに。今は、もっと穏やかに働きたい、家族との時間を大切にしたいって思ってしまう。昔の自分に申し訳ない気持ちになるんです」
でも、本当に「申し訳ない」ことなのでしょうか?
人は変わります。価値観も変わります。20代で正解だったものが、40代でも正解だとは限りません。
そして、それは決して「ブレている」「一貫性がない」ということではないのです。
この記事では、価値観の変化がキャリアにもたらす意味について考えていきます。なぜ、昔の「正解」が今の「違和感」になるのか。そして、変化を肯定することが、なぜ大切なのか。
なぜ、「一貫性」に縛られてしまうのか
社会が求める「ブレない人間」像
私たちの社会は、「一貫性」を美徳とします。
「初志貫徹」「有言実行」「言行一致」──こうした言葉は、常に肯定的に使われます。逆に、「ころころ変わる」「言うことが変わる」「ブレている」という言葉は、否定的なニュアンスを持ちます。
特に仕事の場面では、一貫性が重視されます。面接で「将来の目標は?」と聞かれ、数年後に「やっぱり違うことがしたい」と言えば、「計画性がない」と見られるかもしれません。
新卒の就職活動でも同じです。「なぜこの業界を選んだのか」「なぜこの会社なのか」──一貫したストーリーを求められます。そして、そのストーリーを変えることは、「覚悟が足りない」「自己分析が甘い」と評価されてしまう。
こうして私たちは、知らず知らずのうちに「一貫性を保たなければならない」という呪縛に囚われていきます。
過去の自分への「責任感」
さらに、私たちは過去の自分に対して、妙な責任感を抱いています。
「あんなに頑張ってきたのに、今さら違うと言ったら、あの努力は無駄になる」 「昔の自分が望んだことを、今の私が裏切っていいのだろうか」 「周りに『こうなりたい』と言ってきたのに、変えたら信用を失う」
加奈子さんもそうでした。20代の自分が描いた夢を、40代の自分が否定することに、罪悪感を感じていたのです。
でも、考えてみてください。
20代のあなたと、40代のあなたは、同じ人間でしょうか?
もちろん、連続性はあります。でも、20年という歳月の中で、あなたは数え切れないほどの経験をしてきたはずです。出会い、別れ、成功、失敗、喜び、悲しみ。そして、その一つ一つが、あなたを変えてきました。
20代のあなたに対する「責任」よりも、今のあなたに対する「誠実さ」の方が、ずっと大切なのではないでしょうか。
SNSが作る「一貫性の圧力」
そして現代、SNSがこの圧力をさらに強めています。
過去の投稿は、デジタル空間に永遠に残ります。「将来はこうなりたい」と発信した言葉、「これが私の夢です」と宣言した目標。それらは、タイムラインに刻まれ続けます。
そして、それを見た人たちは、無意識のうちにあなたに「一貫性」を期待します。「あの人は○○を目指していた人」というラベルが貼られ、そこから外れることが、まるで「失敗」のように見えてしまう。
美咲さん(仮名・45歳)は、数年前にSNSで「起業します!」と宣言しました。多くの人が応援してくれました。でも、2年後、彼女は起業を辞めて会社員に戻ることを選びました。
「SNSで報告するのが、本当に辛かったです。『あんなに頑張るって言ってたのに』『もったいない』というコメントも来ました。でも、本当は起業が自分に合っていないことに気づいていたんです。ただ、一度宣言してしまったから、引くに引けなくなっていました」
私たちは、過去の自分の言葉に、囚われすぎているのかもしれません。
昔の「正解」が、今の「違和感」になる理由
ライフステージの変化が価値観を変える
では、なぜ価値観は変わるのでしょうか。
最も大きな要因の一つが、ライフステージの変化です。
20代の独身時代、30代の子育て期、40代の子どもの自立期、50代の親の介護期──それぞれのステージで、私たちが直面する現実は大きく異なります。
20代の頃は、時間もエネルギーも有り余っていました。仕事に全力投球できました。夜遅くまで働いても、翌日には回復していました。「成長したい」「認められたい」「成功したい」という欲求が、何より強かったかもしれません。
でも、30代で子どもが生まれると、優先順位が変わります。夜泣きの対応で寝不足になり、保育園の送迎で時間に制約ができる。「仕事も家庭も」と思っても、現実には両立が難しい。そして、「子どもの成長を見逃したくない」という思いが、強くなっていきます。
40代になると、親の介護が始まるかもしれません。自分の体力も、20代の頃とは違います。更年期の症状に悩まされることもあります。「無理が効かない」ことを、身をもって知るようになります。
こうした変化の中で、価値観が変わるのは、極めて自然なことなのです。
ドナルド・スーパーのライフ・ステージ理論では、人生の各段階で異なる発達課題があり、それに応じてキャリアの役割も変化すると説明されています。つまり、価値観の変化は、人間の成長プロセスの一部なのです。
実際に経験することで見える「現実」
もう一つの要因は、実際に経験することで見える現実です。
理想と現実のギャップ──誰もが一度は経験することです。
加奈子さんも、管理職になる前は、管理職の「輝かしい面」しか見えていませんでした。決定権を持つこと、チームを率いること、影響力を持つこと。でも、実際になってみると、責任の重さ、人間関係の難しさ、時間の制約といった「見えていなかった面」が明らかになりました。
「憧れていた時は、表面しか見えていなかったんです。実際にその立場になって、初めて『これは私が本当に望んでいたものではない』と気づきました」
これは、決して「見通しが甘かった」ということではありません。経験しないとわからないことは、必ずあります。
キャリア心理学者のジョン・クランボルツは、「学習経験」がキャリアを形成すると述べています。つまり、実際にやってみて、自分に合う・合わないを知ることも、キャリア発達の重要なプロセスなのです。
人との出会いが視野を広げる
さらに、人との出会いも価値観を変えます。
若い頃は、限られた世界しか知りませんでした。でも、年齢を重ねるにつれて、様々な人と出会い、様々な生き方を知るようになります。
智子さん(仮名・50歳)は、長年大手企業で働いてきました。「大企業で安定して働くことが幸せ」だと信じていました。でも、40代で出会った友人が、小さな会社でイキイキと働いている姿を見て、価値観が揺らぎました。
「友人は、大企業の安定を捨てて、小さなNPOで働いていました。給料は半分以下だけど、毎日が楽しいと言っていました。その姿を見て、『幸せって、収入や安定だけじゃないんだ』と気づかされたんです」
こうした出会いが、私たちの視野を広げ、「他の選択肢もあるんだ」と教えてくれます。
社会の変化と共に変わる価値観
そして、社会全体の価値観の変化も、私たちに影響を与えます。
20年前と今では、働き方も、生き方も、大きく変わりました。終身雇用は当たり前ではなくなり、転職も珍しくなくなりました。リモートワークが広がり、副業も認められるようになりました。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉も、一般的になりました。
こうした社会の変化の中で、「何が正解か」の基準も変わっていきます。
かつては「一つの会社に定年まで勤めること」が美徳でしたが、今は「自分らしく働くこと」が重視されます。かつては「仕事第一」が当然でしたが、今は「人生全体のバランス」が大切にされます。
私たちは、変化する社会の中で生きています。その中で価値観が変わるのは、社会に適応しているということでもあります。
価値観が変わる瞬間──ターニングポイントの物語
加奈子さんの転機:子どもの一言
加奈子さんの価値観が変わったのは、ある晩のことでした。
中学生の娘が、何気なくこう言ったのです。
「お母さん、最近いつも疲れてるね。大丈夫?」
その言葉にハッとしました。確かに、この1年、家族との時間をほとんど取れていませんでした。夕食も一緒に食べられない日が多く、週末も仕事を持ち帰っていました。
「その時、気づいたんです。私、何のために管理職になったんだろう、って。娘が成長する大切な時期を、見逃していいのだろうか。仕事で成功することが、本当に私の幸せなんだろうか、って」
それまで、「キャリアを積むこと」が最優先でした。でも、娘の言葉が、加奈子さんの価値観を変えました。
「今は、『家族との時間』が何より大切だと思っています。20代の私には想像もできなかった価値観です」
智子さんの転機:友人の死
智子さんの価値観を変えたのは、親友の突然の死でした。
同じ会社で働いていた親友は、昇進を目前にして、50歳で病気で亡くなりました。「定年後にやりたいこと」をたくさん話していた友人でした。
「お葬式で、友人のご主人がこう言ったんです。『もっと一緒に旅行に行きたかった。でも、いつも仕事が忙しくて』って。その言葉が、胸に刺さりました」
それまで智子さんは、「定年まで頑張れば、その後は自由にできる」と思っていました。でも、友人の死が教えてくれました。「その時」が来るとは限らない、と。
「今を大切にしたい。そう思うようになりました。定年後の楽しみを待つのではなく、今、やりたいことをやろう。そのために、働き方を変えようと決めました」
智子さんは、その後、会社を辞めて、以前から興味のあった地域活動に関わるようになりました。収入は減りましたが、毎日が充実しています。
美咲さんの転機:起業の失敗から学んだこと
美咲さんが起業を辞めて会社員に戻ったのは、「失敗」ではありませんでした。むしろ、自分を知るための大切なプロセスでした。
「起業して初めて、私は『一人で全部やること』が苦手だとわかりました。チームで働く方が、私には合っていました。それに、安定した収入があることの有り難さも、失って初めて実感しました」
起業する前の美咲さんは、「組織に縛られたくない」「自由に働きたい」という思いが強くありました。でも、実際に自由になってみると、その自由が逆に不安を生みました。
「私、実は安定を求めるタイプだったんです。それに気づいたのは、起業してからでした。20代の私が望んだものと、40代の私が必要としているものは、違っていたんです」
今、美咲さんは会社員として働きながら、副業で小規模なコンサルティングをしています。「起業の経験があったから、今のバランスが見つけられました。あの2年間は無駄じゃなかった」と、彼女は言います。
キャリア理論が教える「価値観の更新」
シャインのキャリア・アンカーは変化する
エドガー・シャインの「キャリア・アンカー理論」は、人には譲れない価値観(アンカー)があると説明しています。しかし、シャイン自身も、アンカーは人生の経験を通じて明確になり、時には変化することもあると述べています。
加奈子さんは、20代の頃は「全般管理コンピテンス(組織の管理者として活躍したい)」がアンカーでした。でも、40代になって、「生活様式(仕事と私生活のバランス)」や「奉仕・社会貢献」にシフトしたのです。
これは、「ブレている」のではありません。人生経験を通じて、本当に大切なものが明確になったということです。
エリクソンの発達段階──世代性への目覚め
心理学者エリク・エリクソンは、人生を8つの発達段階に分け、それぞれに心理社会的課題があると提唱しました。
40代は「成人期」に当たり、この時期の課題は「世代性 vs 停滞」です。世代性とは、次の世代を育て、社会に貢献したいという欲求です。
若い頃は「自分が成長したい」「自分が認められたい」という欲求が強かったかもしれません。でも、40代になると、「後輩を育てたい」「社会に何かを残したい」という思いが強くなることがあります。
加奈子さんが後輩の育成に喜びを感じるようになったのも、この世代性の目覚めかもしれません。
これは、人間として成熟している証拠なのです。
マズローの欲求階層説──欲求は変化する
アブラハム・マズローの「欲求階層説」も、価値観の変化を説明してくれます。
マズローは、人間の欲求を5段階に分類しました:
- 生理的欲求(食事、睡眠など)
- 安全欲求(安定、安心)
- 社会的欲求(所属、愛情)
- 承認欲求(認められたい、尊重されたい)
- 自己実現欲求(自分らしく生きたい)
若い頃は、安全欲求(安定した仕事)や承認欲求(評価されたい)が強かったかもしれません。でも、それらがある程度満たされると、より高次の欲求──自己実現欲求や、マズローが晩年に提唱した「自己超越欲求(自分を超えた何かのために生きたい)」──へと移行していきます。
智子さんが地域活動に関わるようになったのも、自己超越欲求の表れかもしれません。
欲求の変化は、人間の成長の証なのです。
サビカスのライフ・デザイン──物語は書き換えられる
マーク・サビカスの「ライフ・デザイン理論」では、キャリアは固定されたものではなく、常に構築され続ける物語だと考えます。
人生の経験を通じて、私たちは自分の物語を語り直し、再構築していきます。昔の自分が描いた物語に固執する必要はありません。新しい経験、新しい気づきをもとに、物語を更新していくことこそが、キャリア発達なのです。
美咲さんの物語も、「起業家として成功する」から「自分に合った働き方を見つける」へと書き換えられました。それは、より誠実で、より自分らしい物語です。
キャリアは、価値観が変わった瞬間に書き換えられる──それは、成長の証なのです。
「一貫性」より大切なもの──「誠実さ」という視点
過去の自分への「誠実さ」とは
では、過去の自分との関係を、どう考えればいいのでしょうか。
「過去の自分を裏切る」必要はありません。むしろ、過去の自分に感謝することができます。
加奈子さんは言います。「20代の私が管理職を目指したから、今の私がある。あの頃の努力や経験は、決して無駄じゃなかった。ただ、今の私は、また違うものを求めている。それだけです」
過去の自分が歩んできた道を否定するのではなく、「その道があったから、今の自分がいる」と肯定する。そして、今の自分に誠実に生きる。
それこそが、本当の意味での「一貫性」ではないでしょうか。
「更新する勇気」を持つ
価値観を更新することは、勇気がいります。
周囲から「変わった」と見られるかもしれない。「ブレている」と批判されるかもしれない。自分自身も、「これでいいのか」と不安になるかもしれない。
でも、変わらないことの方が、時には不誠実です。
本当は違和感を抱いているのに、「一貫性」のために我慢する。本当はもう望んでいないのに、「過去の自分に申し訳ない」から続ける。
それは、誰のための人生でしょうか。
心理学者カール・ロジャーズは、「自己一致」という概念を提唱しました。これは、自分の本当の気持ちと、行動が一致している状態です。この状態にあるとき、人は心理的に健康で、幸福を感じやすいとされています。
価値観が変わったのに、古い価値観に基づいて行動し続けることは、「自己不一致」の状態です。それは、心に負担をかけます。
だからこそ、更新する勇気が必要なのです。
「変わった私も、ちゃんと私だ」
変化を恐れる必要はありません。
20代の私も、40代の私も、どちらも本当の私です。矛盾しているように見えるかもしれませんが、人間は本来、多面的で、流動的な存在なのです。
哲学者の鷲田清一氏は、「人間のアイデンティティは、一つの固定されたものではなく、関係性の中で常に変化するもの」だと述べています。
あなたは、母親として、妻として、娘として、友人として、職業人として、様々な顔を持っています。そして、時と場合によって、どの顔が前面に出るかは変わります。
それと同じように、人生のステージによって、どの価値観が優先されるかも変わるのです。
変わることを恐れないでください。
変わった私も、ちゃんと私なのです。
価値観を更新するための5つのステップ
ステップ1:今の「違和感」を認める
まず、今感じている違和感を、素直に認めることから始めましょう。
「なんとなく、しっくりこない」 「昔はこれが楽しかったのに、今はそうでもない」 「頑張っているのに、満たされない」
こうした感情を、無視しないでください。それは、あなたの価値観が変わっているサインかもしれません。
紙に書き出してみるのも効果的です。「今、私が違和感を覚えていること」「以前は良かったのに、今は辛いこと」をリストアップしてみてください。
ステップ2:「なぜ変わったのか」を探る
次に、なぜその違和感が生まれたのかを考えてみましょう。
- ライフステージが変わったから?(子どもの成長、親の介護など)
- 実際に経験して、現実が見えたから?
- 新しい出会いや経験が、視野を広げたから?
- 体力や健康状態が変わったから?
- 社会や環境が変わったから?
理由を探ることで、「変化は自然なこと」だと納得できます。
ステップ3:「今の私」が本当に大切にしたいものを見つける
そして、今のあなたが、本当に大切にしたいものは何かを考えてみましょう。
過去の自分の価値観ではなく、今の自分の価値観です。
- 家族との時間?
- 心身の健康?
- 自分らしく生きること?
- 誰かの役に立つこと?
- 経済的な安定?
- 挑戦や成長?
- 平穏な日常?
どれが正しいということはありません。大切なのは、今のあなたにとって、何が一番大切かです。
ステップ4:小さな実験をしてみる
価値観が変わったと感じたら、小さな実験をしてみましょう。
いきなり大きな決断をする必要はありません。まずは、新しい価値観に沿った行動を、少しだけ試してみるのです。
- 「家族との時間」を大切にしたいなら、週に1日は定時で帰る日を作ってみる
- 「健康」を大切にしたいなら、朝のウォーキングを始めてみる
- 「自分らしく生きる」ことを大切にしたいなら、興味のあった習い事を始めてみる
小さな実験を重ねることで、「これが本当に私が望んでいることなのか」が見えてきます。
ステップ5:「更新した自分」を肯定する
そして最後に、変わった自分を肯定してください。
「私、変わってしまった」ではなく、「私、成長している」と。
周囲から「変わったね」と言われたら、「そうなんです、気づいたことがあって」と堂々と答えてください。
過去の自分に申し訳なく思う必要はありません。過去の自分がいたから、今の自分がいるのです。
今、あなたに伝えたいこと
変化は、裏切りではなく、成長
もし、あなたが今、昔の自分と今の自分のギャップに戸惑っているなら、伝えたいことがあります。
あなたは、過去の自分を裏切っているのではありません。成長しているのです。
20年、30年という歳月の中で、人は変わります。それは当然のことです。むしろ、変わらない方が不自然かもしれません。
あなたが経験してきたこと、出会った人たち、乗り越えた困難──それらすべてが、あなたを変えてきました。そして、その変化は、あなたを豊かにしています。
「今の私」を生きる権利
過去の自分が望んだ人生を生きる義務はありません。
今のあなたが、今のあなたの人生を生きる権利があります。
加奈子さんも、最初は罪悪感を抱いていました。でも、キャリアコンサルティングを通じて気づいたのです。「20代の私は、40代の現実を知らなかった。今の私の方が、何が大切かをよくわかっている」と。
あなたも同じです。今のあなたは、過去のあなたよりも、多くのことを知っています。より深い自己理解を持っています。
だから、今のあなたの判断を信じてください。
対話が、更新を助ける
ただし、一人で価値観の変化と向き合うのは、簡単ではありません。
「本当にこれでいいのか」「ただの逃げではないのか」「周りはどう思うだろう」──そんな不安が、頭の中を駆け巡ることもあるでしょう。
だからこそ、誰かと対話することが大切です。
キャリアコンサルタントは、あなたの価値観の変化を否定しません。「ブレている」とも「一貫性がない」とも言いません。むしろ、その変化の意味を一緒に探り、あなたが納得できる答えを見つける手伝いをします。
加奈子さんも、智子さんも、美咲さんも、キャリアコンサルティングを通じて、自分の変化を肯定できるようになりました。
対話の中で、見えてくるものがあります。
さあ、あなたの価値観を更新しましょう
「今の私」の声に、耳を傾けて
もし、あなたが今──
「昔は望んでいたことが、今は違和感になっている」 「価値観が変わった自分を、責めてしまう」 「一貫性がないと思われるのが怖い」 「でも、今の自分に正直になりたい」
そう感じているなら、それはとても自然なことです。そして、大切なサインです。
まず、今の自分の声に、静かに耳を傾けてみてください。
「本当は、何がしたいのか」 「本当は、何を大切にしたいのか」 「本当は、どう生きたいのか」
過去の自分の声ではなく、今のあなたの声を。 周囲の期待の声ではなく、あなた自身の心の声を。
変化を恐れないで
変わることを恐れないでください。
あなたの人生は、あなたのものです。20代のあなたが描いた物語に、一生縛られる必要はありません。
新しい章を書く権利が、あなたにはあります。
そして、その新しい章は、過去の章を否定するものではありません。過去の章があったからこそ、新しい章が書けるのです。
すべての章が、あなたの人生という一冊の本を作っています。
小さな一歩から始めよう
大きな決断をする前に、まず小さな一歩を踏み出してみてください。
今日から、新しい価値観に基づいた小さな選択をしてみる。 今週から、本当にやりたいことに、少しだけ時間を使ってみる。 今月から、無理をしない働き方を、少しずつ試してみる。
そうした小さな積み重ねが、やがて大きな変化につながります。
そして、その変化の先に、「これでよかった」と思える日が来るはずです。
あなたの「更新」を、一緒にサポートします
もし、あなたが今──
「価値観が変わったことを、整理したい」 「今の自分が本当に大切にしたいものを、見つけたい」 「変化を肯定的に捉えられるようになりたい」 「誰かに、今の気持ちを聴いてほしい」
そう感じているなら、一人で抱え込まないでください。
キャリアカウンセリングは、あなたの変化を肯定する場です。過去の自分と今の自分をつなぎ、新しい物語を紡ぐ場です。
加奈子さんは、カウンセリングを通じて気づきました。「私が望んでいたのは、管理職という肩書きじゃなかった。人の役に立つこと、チームを支えること、そして家族との時間。それに気づけてよかった」と。
智子さんは言います。「安定だけを求めていた昔の私も、今やりたいことを優先する私も、どちらも本当の私。それがわかったら、楽になりました」
美咲さんは言います。「起業を辞めたことは失敗じゃなかった。自分を知るプロセスだった。そう思えるようになったのは、カウンセリングのおかげです」
あなたの価値観の変化を、一緒に見つめ直してみませんか。
変わったあなたを、肯定する場所
キャリアカウンセリングは、あなたを評価する場所ではありません。「こうすべき」と指示する場所でもありません。
ただ、あなたの気持ちに寄り添いながら、あなた自身が納得できる答えを見つける場所です。
- 20代の自分が望んだことと、今の自分が望むことの違い
- その変化がなぜ起きたのか
- 今の自分が本当に大切にしたいもの
- これからどう生きていきたいのか
こうしたことを、対話を通じて一緒に探っていきます。
そして、その先に見えてくるのは──
「変わった私も、ちゃんと私だ」という、確かな実感です。
まずは、あなたの物語を聞かせてください
昔はこうだった。でも今は違う。 そのギャップに戸惑っている。 でも、今の気持ちも嘘じゃない。
そんなあなたの物語を、まずは聞かせてください。
過去の自分と今の自分。 どちらも大切な、あなたの一部です。
その両方を大切にしながら、これからのあなたを一緒に描いていきましょう。
変化は、終わりではなく、始まりです。
あなたの新しい章を、一緒に書き始めませんか。
